大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和38(オ)1137 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人補永守の上告理由第一について。

原判決が、本件甲五号証(乙五号証の二)中、D作成名義部分が偽造にかかるも

のと認めていることは、所論指摘のとおりであるが、そのために無効となるのは訴

外D等の名義において訴外Eがなした行為のみであり、これがために訴外Eが自己

の物につき自己の名においてなした行為、すなわち本件金銭消費貸借および代物弁

済の特約までが無効となるべきいわれはないとし、被上告人が右第一家屋につき共

有持分二分の一の所有権を取得したことが有効であり、訴外Dから被上告人名義に

なされた右家屋についての売買に因る全所有権の移転登記が右共有持分二分の一の

限度において有効であるとした原審の判断は首肯できる。�

所論は、本件所有権移転登記が偽造書類によつて為され不動産登記法三五条一項

殊に同項二号、五号に違背して為された登記であるとして、不動産登記法の強行法

規違反による当該登記の無効を主張するが、訴外Eの持分に関する限り原審は所論

偽造を認定判示していないのであるから、論旨は、原審認定外の事実を前提として

原判決を非難するものであつて採るに足らず。挙示の判例は本件に適切でないから、

これを掲げる所論も採用できない。

同第二について。

所論は、訴外Eの保証債務が主債務の無効によつて無効となることを云々するが、

同訴外人が保証債務を負担したとの事実自体、原審で主張なく従つて認定判断のな

いことであり、挙示の大審院判例も右主張判断のない事項に関するものであつて、

これを引用して原判決を非難する論旨は、前提を欠き採用の限りでない。

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所論末段は反判決の判示を正解しないことによるものであり、原判決には所論の

ような理由そごは存しないから、論旨は採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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